29 Indigo


脇道音楽堂 〜わたしの一曲〜編集者/柏子見

私は朝型だ。
子供は早寝早起きすべしと言われて育ち、小学校時代は20時就寝6時起床、
高校時代は就寝時間は覚えていないが起床は1時だった。
いろいろな早寝早起きを経験し現在は4時起床。
立派な朝型。

同じく早寝早起き派の母親は定年で仕事を辞めるまで
毎週日曜お昼になると必ず大きなため息をつき、
休みも終わった・・と言うのが口癖だった。
そしてその4時間後には風呂を沸かし、まだ明るいうちにパジャマを着てしまうと
家中本当にもう休みが終わっちゃった感に包まれた。

そんな子供時代を経て大人になると私は非常に驚くことになる。
日曜の午後に待ち合わせをして遊びに出かける若者のなんと多いことか。
まだ休みは終わってなかった。
社会人になるとさらに驚く。
終電まで働いて帰ると高校時代の起床時間とほぼ同じではないか・・

混沌とした20代、誘われて出かけた夜遊びの楽しさに驚嘆する。
夜ってもしかしてものすごく楽しいんじゃ・・?
前置きが非常に長くなったけど、音楽好きのTさんに借りたCDに入っていたこの曲。
毎週遊びに出かけた頃の夜から朝に変わってく時間を思い出す。
漆黒から濃紺になって、オレンジだのピンクだのラベンダーだの
いろんな色のグラデーションが広がって、土埃まできらきらする。
ちょっと視界が白っぽく霞んで清廉な空気に包まれる瞬間。
楽しい夜が終わっちゃうせつない予感。

元来朝型の人間の夜遊びなんてやはり限界があるわけで、
今はすっかり元通りの早寝早起き派なんだけど、
慣れ親しんだ朝が未知の夜とつながった先でまるで違うなにかになったみたいな、
懐かしい記憶を呼び起こしてくれたこの曲をリコメンド。

Indigo / avengers in sci-fi

2019.7.17
江浪 麻理

公開日/2019年07月17日



関連記事