19 QUEEN


脇道音楽堂 〜わたしの一曲〜編集者/柏子見

私が取り上げるのは、QUEEN。脇道音楽堂で書くネタとして、ちょうどいいタイミング。昨年、映画上映されたQUEENの『ボヘミアンラプソティ』を3回も観た。3回目の応援上映の際は蛍光のペンライトを左右に振る観客がいたり、後半30分のライブシーン終了には会場全体で拍手が起こったりと、コンサートさながらの盛り上がり。興行収入が100億円を突破したとか。

そんなQUEENとの出会いは、40年ほど前、当時高校生、深夜ラジオを聴くのが日課だった私は、ある日QUEENの『Fat Bottomed Girls』という曲がラジオから流れてきた。曲終わりにDJが言った「このLPジャケットがすごいよ」の一言で、この曲が入った『JAZZ』というアルバムを購入。ジャケットの表紙は黒と白の円線が何重にも重なった幾何学的でシンプルなイラストのビジュアルだが、そのLPジャケットの中面がスゴイ。2つ折になっていて、開くと左右60cmほどで高さは30cm、一面に描かれていたのが何十人もの女性が全裸で自転車に乗っている写真。そう、これが見たい為だけにレコードを手に入れたのだ。多感な時期の私には刺激的で、夜な夜な親が寝たのを見計らい、LPジャケットを開いて目を皿にして見ていた。超有名なロックバンドとは露知らず、不純な動機で聴き始めたのだが、その音楽の魅力にハマってしまい、40年以上経った今でもQUEENを聴いている。この映画ブームになる前でも時々クルマの中で曲を流していた。

 

もう一つQUEENに纏わる私のエピソードがある。それは、23歳の時、当時付き合っていた彼女と一緒にQUEENのコンサートへ行こうと、チケットを2枚購入した。ところが、その間に別れてしまい、そのチケットをどうしたかと言うと、別れた彼女の自宅宛に郵便で2枚とも送ってしまったのだ。記憶が定かでないが、「だれが別の人と一緒に行ってください」と手紙を添えたような…。当時は別れた彼女にチケットを2枚とも贈るなんて“オレってカッコいいじゃん”なんて思っていただけだったが、今思うと非常にもったいないことをしたと、今更ながら後悔。フレディーマーキュリーはもういないし、コンサートすることもないだろうし、残念!

2019.2.20
高橋 豊

公開日/2019年02月26日



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