7 君とゲレンデ


脇道音楽堂 〜わたしの一曲〜編集者/柏子見

この曲を聴いて知ってほしい。
美男美女の歌う失恋ソングの説得力は、
お母さんに「みんな持ってるし!」と
ゲーム機をねだる小学生以下であると!

SHISHAMO「君とゲレンデ」

1曲で自分を語るのは、なんだか私には無理な気がします。
歌にまつわるエピソードも、あまりろくなものが無いし。
めちゃくちゃ重たい話とか、めちゃくちゃ調子に乗ってる話とか。
それを語ったところで、引かれるか軽蔑されるかの2択、みたいな。
既にされているという説は除いて。

でも、歌の紹介を通じて、私の人と成りは
なんとなくわかってもらえるかもしれない。
そんなわけで少し毛色を変えて、読書感想文で
オススメの本を友達に紹介する体裁で書くとうまくいく、
みたいな要領でやってみます。

さて、私は常々、自分より年下の歌手の歌をあまり聴きません。
若い子のメッセージ、人生訓や死生観なんて興味がないからです。
でも、その固定観念を打ち破ってくれたバンドが2つあります。

ひと組はアンディモリというバンド。
この人たちは売れると思ったのに、
売れる前に解散してしまった。天才すぎました。

で、もうひと組がdocomoのCMで有名になったSHISHAMO。
こっちは予想通り売れました。それもそのはず。

まずはタイトルのPVを見てください。
小芝居をやってる子たちはどうでもいいので、ボーカルに注目。
しっかり見たら、次は歌詞に耳を傾けてみましょう。

要約すると、2年間ほど片思いしている男子を含むグループで
ゲレンデに行ったら、別の子とラブラブな様子を
まざまざ見せつけられて、挙げ句の果てに引導まで渡されるという内容。

まあ、容赦ないですけどあるあるですね。
内輪で取り合って負けちゃうと、ずっと傷口えぐられちゃう、みたいな。
はたから見てるこっちがいたたまれない、もうやめてあげて!みたいな。
じゃあなに、気を遣ってよそよそしくすればいいってわけ!?みたいな。
崩壊まっしぐら!みたいな。儚いですよね、男女のグループって。
たまゆらですよね、ほんと。

少し脱線しましたが、話を戻しますと、なんかすごく説得力ありませんか?
彼女が振られる話を歌うというところに、圧倒的なリアリティを感じませんか?
臨場感すごすぎて、思わず応援したくなりませんか?私はなりました。
オジさんの勝手な上から目線ですが、成功してるバンドなのに
可愛そ過ぎて胸がキュンキュンしてしまいました。

結局、歌って年齢じゃないんだな、歌手の身の丈に合った、
嘘偽りのない本音が詞に込められているかどうかなんだなぁ
なんて思わせてくれた、目からウロコの1曲です。

少し先の話ではありますが、冬を迎えたら、どうかあなたも
切なくメロディアスなこの曲を携えていただければ幸いです。

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SHISHAMO「君とゲレンデ」オフィシャルYouTube>>

2018.9.5
長谷川雄一

 

公開日/2018年09月05日



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