No.9 ノールック来場


脇道くしゃがら道〜まだネットにない言葉〜編集者/柏子見

日々、膨大な情報に接しながら暮らしている。
スマホを持つようになってから特にそう感じる。

一説によると「現代人の1日の情報量は、平安時代の一生分」だそう。
(これもスマホで見聞きした情報だ。)

私がスマホに入れているアプリも色々あるが、
「スポナビ」と云われるアプリをほぼ毎日開いている。

プロ野球の試合をリアルタイムで一球ごとに速報を
流してくれるものだ。

これがあれば、テレビやラジオの中継を聞けない場合でも
戦況をつぶさに追いかけられる。
「よし、三振」とか「わ!ホームラン打たれてる…」などと
チェックをしている。
逆転された悔しさで「もう見たくない!」と
アプリを閉じた1分後…やっぱり気になってまた見ている。
もはや中毒者である。

中毒者は年に数回、球場にも脚を運ぶ。
試合前の練習風景を観るのも好きなので、
試合途中に球場に行くことは滅多にない。
たまたま平日のナイターに仕事終わりで行くことがあり、
ふと、アプリを一切見ずに球場に向かってみようと思いたった。

結論
「めちゃくちゃ新鮮だった」

道中の電車内、つい癖でスマホを取り出し、
アプリを開きそうになる…我慢我慢。

ヤフーニュースのトップページで
試合経過がトピックスとして上がってくる事もある
…不意打ちに要注意である。

そして、人間は情報を遮断されると自分の脳内で
戦況を想像しようとする。
途中のブランクがありながらも、30数年プロ野球を
見続けている私は、先発メンバーをみれば、
試合の行方をある程度読める特殊能力がついた。
その日は、4対1で勝っていると予想して4回裏に入場。
結果は3対0でリードしていた。

己の情報欲を抑圧し、一時的な飢餓状態に追い込んだ
反動が前述した「新鮮さ」に繋がったのだろうか
応援の熱量も上がる。
(試合は逆転負け。これもなんとなく予想していた)

私はこの一連の行動に「ノールック入場」という名前をつけることにしたが、
2件ヒットしてしまったので、
「ノールック来場」に変更して検索してみた。

Googleでの検索結果

“ノールック来場”との一致はありません。

2022年9月7日
内藤 友貴

公開日/2022年09月07日



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