おしまいに


脇道的”妄想”YouTuber編集者/柏子見

2005年にYouTubeが現れた時の事はよく覚えている。

コンテンツ的にショボイのはしょうがないとして、
インターネットの特性上、動画のような重いコンテンツを大量に流すのは、
技術的にとても難しく、コストも莫大にかかるので、
ビジネス的には成り立たないだろうなと思っていた。

「また時代のあだ花サービスがひとつ生まれて消えて行くのか…」
それが正直な感想で、まさか10数年後にこんな状態になっているとは夢にも思わなかった。

ユーチューブに初めて流れた創業者のジョード・カリム氏が投稿した動画

YouTubeはどうしてこんなに大きく強力になったのだろうか?
実際、2005年当時でも、この「不特定多数が投稿できて視聴できる動画配信サービス」というのは特に珍しい物ではなかった。
スマホの普及、回線の高速化、潤沢な資金、使いやすさ、無料…要因は色々あるだろう。
ネットで検索すると、色々な人がその要因について説明しているが、
要は「時代の波に乗った」という事だろう。
今回、オフサイドのメンバーが情報発信するならどんな事?
それってビジネスになりそうかな?
といったテーマだったのだが、YouTubeの大きなポイントは、このマネタイズかも知れない。
一般的なSNSの対価はフォワー数や「いいね」だが、YouTubeはそれに加えてお金になる。
それがやはり大きい。
YouTuberという職業を作り出したのはすごいと思う。
ただ負の側面もある。
先日TVで、あるお笑い芸人が言っていた。
TikTok等のおかげで、無名の芸人がブレイクしやすくなったが、あまりにもサイクルが早すぎる…との事。
ネットのメリットでもある、いつでもどこでも何度でも繰り返し見られる動画は、
その分、飽きられるのも早く、発信者は常に恐るべきスピードで出し続け無ければならない。
これはもの凄いストレスだと思う。
コンテンツに向き合うスタンスも全然違う気がする。
昔、不便極まりないレコードやラジオで聴いた音楽に対する集中力は、すごかったと思う。
それが新しい物を生み出す原動力となっていたと思うのだが、今はもう無い。
価値観がこれだけ変わってしまった今、どうなって行くのだろうか?
でも時代は後には戻れない。
ほぼ無料で、いつでも何度でも見られても陳腐化しないもので、
人々を引き付けて行くクリエイティブが求められるのだろうね。
大変そうだ…
2022年5月11日
柏子見 友宏

公開日/2022年05月11日



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