No.6 クロスドミナンス


脇道書道場 〜わたしの一筆〜編集者/柏子見

日常生活で利き手ではない手を使うこと、皆さんはありますか?

私は包丁やお玉などを使って料理をするときや、マウスは必ず持ち替えます。
たまにICカードを機械にピッとする時とか、ハサミを何回使っても切れない時は仕方なく利き手から持ち替えたりとか………
これらにピンとくる方はきっと同志でしょう。

そう、私は左利きです。

左利きの中でもすべて左手でできる方と両手を使い分ける方(クロスドミナンス)がいると思います。

私はどちらかと言うと左手至上主義で幼少期は特に強く出ていたのですが、
書道教室に通ってから後者に変わりました。
当時、書道教室に通うと決まったときはとても憂鬱で、書道は厳しい、礼儀を重んじるイメージで、
そこに入ってしまうと無理やり右利きに矯正させられるのではないかと勝手に思い込んでいました。
教室初日、先生に挨拶をした後に早速左利きであることを話すと

『左利きなの?それは素敵だ!じゃあ筆は右手で、鉛筆は左手を使いましょう!
両方とも使えてとってもかっこいいじゃん!!!!』

両手使いの提案に驚きつつ、助言通り毛筆は右手、鉛筆は左手を使うようになりました。
初めの頃はうまく書けなくてもお手本に沿っていくと綺麗に書けるようになり、段の位が取れた時は利き手じゃなくてもやればできるんだと改めて思いました。

当時のことを思い出しながら久しぶりに筆を手に取ったけれど、筆と墨に弄ばれた結果になりました。
やはり信じられるのは左手………ではなく、当時のように続けることが大事なのだと改めて痛感しました。

2019年10月30日
スギモト ユキ

公開日/2019年10月30日



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