No.2 懐かしの香り


脇道書道場 〜わたしの一筆〜編集者/柏子見

「なんだか懐かしい香りがする」

この文章を見て、みなさんはどんな香りを思い浮かべたでしょうか。
夏のプールの匂い、教室の匂い、実家の畳の匂い・・・
人によって、思い起こされる香りは様々かと思います。

私がこの文章を見たときに、真っ先に思い浮かべたものは、「金木犀の香り」です。
なんだかオシャレな感じがしますが…(笑)

偶然にも、私が、小学校、中学校、高校、大学と通った場所には必ず金木犀があり、
このくらいの時期になると、ほわっと金木犀の香りがしていました。

単純にこの匂いが好きだからなのか、
私の青春時代に必ず登場してきたからなのかはわかりませんが、
懐かしの香りとして、とても鮮明に思い出せます。

ということで、私の脇道書道は、思い出の香りの「金木犀」です。

金木犀の香りと聞いて、どんな香りなの?となる人は少ないかと思います。

その他にも、畳の匂いや、コーヒーの匂い、プールの匂いなども同様に、
頭に思い浮かべるだけでなんだか匂いも、鼻を通じて香ってくるような気がしてきます。

生態学的には〜・・・など難しいことは、全くわかりませんが、
視覚情報と同じように、匂いも記憶媒体としては深く頭に残るものだなと感じます。

思い出を残す媒体として、今は、写真やビデオが代表的です。
ですが、近年の技術発達を見ると、これに付随して匂いも一緒に残せるようなものが、
もしかしたら、この先の未来で出てくるのではないかと思います。

そうなれば、私は、オシャレな金木犀の香りと共に、
あっという間に過ぎていった学生時代の思い出を振り返られるのだなぁ・・・と、
筆をとりながら、期待の妄想が膨らみました。

2019年10月2日
河合美奈子

公開日/2019年10月02日



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