10 ビジネスマンの父より息子への30通の手紙


脇道堂書店 〜わたしの一冊〜編集者/柏子見

本を読むのが嫌いな子供だった。

まあ当時はファミコンもスマホも無かった。そうTVか本くらいの選択肢しか無かったのだけど…
でも、今この仕事をして思うのは、子供の頃に見たTVから受けた影響の大きさ。
TV、特に特撮ヒーローものは、物語の単純さ過激な演出、そして勧善懲悪、愛と正義と勇気。正義は必ず勝つ!
現在でも制作され続けている事を考えると、ほんとうに人生で大切なものを教えてくれる。だから面白い。

でも会社の企画は書籍。
基本的には皆が好きな物を読んで感想を書く、そこにTVの入る余地は全くない。

私は妄想力にはあまり自信がない(ウソ)
もし妄想族をやれと言われたら、最後尾から法定速度を守ってついていくだろう(ウソ)

それはTVでも書籍でもなんでもなく唯単に性格の問題だと思っている?

うん?何か変だぞ。話が脇にそれてきた・・・。
なんて書くと脇道堂書店の枠から外れてた脇道堂になりますね(笑)
まあ、もともと脇道な人生ですから・・・・・
さて、前振りの話(まくら)がながくなりましたね。

冗談はこのぐらいにして、今回わたしがオススメする本は「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」という本です。

「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」  G.キングスレイ ウォード (著), G.Kingsley Ward (著), 城山 三郎 (翻訳)

“財産や事業など残すより、いちばん大切なのは、一生の経験から学んだ人生の知恵やノウハウの集積である。
これだけはぜひ息子に伝えておきたい”

こんな素敵な前書きから始まる本書は、ビジネスにおける普遍の真理をついている有名な本です。
私が21歳のとき社会人として働き始めた頃、出版された本でビジネスマンとして成功を収めた著者が、同じく企業家を目指す息子へ宛てて書いた手紙をまとめたものです。
約20年に渡って息子に送られた手紙で、全部で30通あります。

この脇道堂書店で以前に椙本さんが書かれた本「ラブ・レターズ」とかぶる?手紙をモチーフにした作品ですがこちらはビジネス書なので分野がまったく違いますね(笑)
試験、実社会への出発、企業での人間関係、部下とのコミュニケーション、友情、結婚など、ビジネスマンが人生で遭遇するあらゆる場面に言及して著者(父)がアドバイスや思いを綴っていきます。
著者が人生を通じて得た「礼儀正しさにまさる攻撃力はない」「友情は手入れしよう」「批判は効果的に」といった教訓は、いずれもビジネスにおける普遍の真理をついています。

で、こうした教訓だけではなく「父親を超えられない」と不安に思う息子を励ます場面では、息子の成長を祈る父親の気持ちが伝わってきて思わず涙しそうになります(涙)父親と息子の男同士の絆。
厳しさと愛情の入り混じった複雑な感情が、読むものの心を強く打つ作品です。

これらの教訓やアドバイスが押しつけがましくなく、上から目線でもなく、ごく自然体でつづられている点が理解しやすく、納得して読む事ができました。
しかも息子と同じ目線での言葉になっている所がすごいです。
アドバイスをする相手として最適な登場人物になって言葉を綴ります。
手紙の最後の名前も洒落がきいていて面白いですよ。

あっそうそう、この本の中にも著者がおすすめする本についての話も出てきます。読書の価値(第19通)で「ガルシアへの書簡」です。とても印象深いお話で、社会人になりたての自分には考えさせられるものでした。
時間のある方はこの項目だけでも目を通していただけると良いのでは?と思います。
3分で読めます(笑)

そんな私にも18歳になるひとり息子がいますが、息子との手紙のやりとりなど恥ずかしくて出来ないですが、父親として人生の先輩としてこの著者のようなアドバイスが出来れば最高ですね(笑)今回この脇道堂の企画を聞いて改めて読んでみましたが、以前とはまた違った思いがありました。
映画もそうですが年齢によって感じる想いがすごく違うのだと思いました。
また何年後かに読んでみるとしますかね。
違った感動があるのではないでしょうか?

 

2017.9.7
牧村 学

 

公開日/2017年09月07日



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