09 フレデリック


脇道堂書店 〜わたしの一冊〜編集者/柏子見

ちょっとかわった のねずみ「フレデリック」の話です。
スイミーの作者レオ・レオニの絵本で、小学2年の時に出会いました。

フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし  レオ・レオニ (著)、谷川 俊太郎 (翻訳)

だいたいこんな話です↓
仲間の のねずみ達がせっせと冬支度をしているなか、フレデリックが集めているのは光や色やことば。
仲間たちは、あまりいい顔はしません。きっと働かない変わったやつだなんて思っているのでしょう。
やがて冬が訪れた時、なぜフレデリックがなんでそんなものを集めていたのか訳がわかります。

この絵本を読んで、ある人はフレデリックが怠け者だと捉える人もいるかもしれません。
しかし、久しぶりに読んでみてその当時の思いと変わらず、素敵だと感じることがあります。
それは、「光や色やことばを集める」という描写です。

この描写にはわくわくします。
きっと誰しもが「光や色やことば集め」をしていて、「あの時の空はとても素敵な色だった」とか「あの夏の太陽はすごく印象的だったな」とか「あのフレーズ、なんだか心に残る」みたいに。
同じ景色でも、人によって違う色や光に見えていると思うと、それはいったいどういうものだろうかと探求したくなります。

そして、かつて自分が集めた「光や色やことばを集める」という描写が自分に残っているように、日々自分に集まっていくものたちを大事にしたいと、この絵本から感じました。
どう影響するかなんて今はどうでもいいのです。いつか何かにはなるのでしょうが、、、(きっとたぶんおそらく)

最後に、この絵本の教訓は「みんな違ってみんないい」精神かもしれないです。
けれど、この絵本のいい所は、描写やことばのチョイスで、読む人それぞれに絵本に対する感じ方の自由が与えられていることかなと勝手に思っています。

なので、今回ご紹介した絵本を手にとる方も自由に読んで自由に感じてもらえればと思います。

2017.8.30
高橋 有希子

公開日/2017年08月30日



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