No.7 仕事柄 LINEの誤字にも すぐ気付く


脇道ちょっとGPT川柳編集者/

ふだんから“目ざとい” というよりは
“防衛本能からのアラート” なのだと思う。

私は、これまで前職を含め約15年ほど、
校正を仕事の一つとして働いてきた。

仕事の一つと言った通り、他にも多くの業務をこなしていたわけで、
当然、校正ミスが起らないはずもなく、
ここでは書ききれないほど肝を冷やし、頭を下げ、正誤表を作ってきた…。

振り返れば、記念すべき初仕事から私は、やらかした。
セールの折込チラシだったと思うが、
ある商品の売り場の階数表記を間違えた。

数年後には会報誌で
「ダイヤモンド ○万円(0.1ct)」とすべき所を
「ダイヤモンド ○万円(1.0ct)」という爆安価格にしてしまった。

またある年は、社用年賀状を担当した。
絶対に氏名を間違えてはいけない!という思いが先走り、氏名ばかりに気を取られ、
「執行員」とする箇所の
「執行員」というタイプミスを校正で見逃し、印刷…
恐る恐るお詫びに行ったが、その重役は呆れかえっていた。

極め付けは、200頁はあろうかというカタログ(約1万冊)の納品後、
パラパラめくりながら「ようやく完成したか~」と充実感に浸っていたのだが、
あるページでその手が止まった。

商品説明コピーが入るべき部分が
「□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□」になっていた。
それも複数ページで。(そうなった原因は複雑なため割愛)

もう発送準備も進めている段階である………詰んだ…。
顔面蒼白で部長課長に報告後、前出の重役に報告に行ったが、
その場で重役が社長に掛け合い、全数刷り直しという即断即決で
きちんとした状態に直り、発送もギリギリ間に合ったのだ。

その時の重役が見せた漢気、印刷会社さん、DM発送業者さんの神対応などを含め、
これはもし将来自分が、日経新聞の「私の履歴書」の連載をすることになったら
間違いなく載せたいぐらいのエピソードである。

話が逸れたが、そういった経験から
冒頭の川柳のように、誤字には敏感になった。

テレビを観れば、一瞬映ったテロップの間違い
【例】
×通 ○通
×外 ○
に反応し、

スマホを見ていても、ヤフコメの誤字脱字
【例】
×大 ○大
×伸介 ○
紳助
が気になってしまう。

すぐに間違いがわからなくても、
間違った字面からは「なんか違和感あるな」というアラートを感じるのだ。

おしまいに、
違和感で思い出したが、
いまAIがもの凄い勢いで幅を利かせはじめている。
テキストを打ち込めば、数秒で何案ものデザインやキャッチコピーを生成してくれるらしい。
より具体的な指示を何行も何行も打ち込めば、理想とする形に近づくのだろう。
それを作る側の技術力に驚きつつ、
あまりにインスタントに出来てしまうモノで溢れかえる世界を想像して、
「本当にそれでいいのかな」とも思ってしまう。
そんな天邪鬼な私から最後にもう一句。

 行間まで 読めるだろうか AIは

以上、
誤字脱字があったらごめんなさい。

2023年8月2日
内藤 友貴

公開日/2023年08月02日



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