No.27 ドラえもん
脇道未来予想図編集者/

50年後、重力の制御が可能になり、陸地は重力による透明な気体層(「重力フィールド」と呼ぶ)に覆われ、人も車も建物も数センチ浮いています。
重力フィールド上では一見、2025年と変わらない日常生活を送っているように見えますが、少し違いがあります。
車や電車は自動運転技術が極まり人や物とぶつかることはなく、事故という概念は過去のものとなりました。
自動運転かつ浮いているので道は必要なくなり、現在では新しい道は作られておらず、日本では
・日本の道100選 参考リンク:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%81%93100%E9%81%B8
・地域住民が最も愛する道トップ3
以外は撤去されています。
ゴミはプログラムで判定され回収されます。浮いているので吸引すれば一瞬です。
公共施設では施工時に重力フィールドの設定がされます。
一般的に公園ではフィールドの設定が「ゴミ」に対してON、「人」に対してはOFFとなっているため、ゴミの落ちていない芝生の上を裸足で走り回ったり寝転んだりしています。
小石が敷き詰められたエリアもあり、エリア内では「小石」はOFFですが、エリア外では「ON」になり自動回収され、怪我の心配もありません。
人は、18歳になると重力制御免許を取得し、自分自身への重力フィールドの影響を自由に切り替えることができます。
18歳未満の場合は、ペアレンタルコントロール機能により保護者の許可が必要となります。
教育現場では、子どもたちが重力制御を安全に学べるような新しいカリキュラムが開発されていて、13歳からの免許取得に向けた取り組みが加速すると期待されています。
****
冬に実家に帰ると、家中を裸足で歩く私に「スリッパか靴下を履け」と言う。
「足が冷たそう」「足が汚れるかもしれない」からと心配になるらしい。
スリッパも靴下もあまり好きではないので、できれば履きたくない。
ドラえもんはちょっと浮いてていいな。足を怪我したりもしないんだろうな。
そう思ったことがきっかけで、浮けば解決するのでは?と想像してみました。
夏のアスファルトを散歩する犬も、浮けば靴を履かなくていいし。
2025年2月26日
木原 綾乃
公開日/2025年02月26日